2014年7月9日水曜日

龍野の昔話



井戸糀製造所
  昔ながらのレンガ作りの麹室で麹蓋を使って糀を作られる。地域の人はもちろん、
  近郊の方は車で、遠くは東京から買い付けに来られる人気店。
  お店が開店していれば、絶えずお客さんが来られる。お味噌・甘酒・塩糀、どれも
  自然な旨味とおいしさがあり、しかもお手頃なお値段での販売をされています。
  ご主人も奥さんもニコニコ元気な人柄で2人の笑顔からもおいしさを分けていただ
  けるお店です。井戸さんに井戸糀製造所にまつわる龍野の昔話を伺いました。




龍野の昔話
井戸:むかし、僕のおじいさんが糀屋の番頭をしとってん
   そこに駐車場があるんやけど、そこでしよったったんや。
   H屋さんという大きな糀屋さんやったんやけど、
   そこで龍野六人殺しってごっい事件があって。

西村:えっ龍野六人殺し!

井戸:うん。一家もろとも殺してもうたんや。H屋の息子が。

西村:息子が!

井戸:それが大正15年5月15日の話なんや、
   ほいで糀屋さんができんようになって  
   うちのおじいさんが一番に疑われたんやけど、
   うちが継ぐことになったんや。

   今年になって見つけたんや。
   (古い免許授与証を持ってきて下さる。)
   昔のを探してたらこんなん出てきてん。
   兵庫県、揖保郡、龍野町、龍野104番地。
   井戸又市 私のおじいさんや。
   昭和3年5月31日 申請
   兵庫県、揖保郡、龍野町、龍野66■番地
   において、営業継承による糀製造件免許す。

西村:へぇ!


井戸:そのまま引き継いだんやけどな。
   ほんまの営業許可をもらった日はこの日なんや。















著書「呪われた人々」
著者 井戸誠一
*井戸さんのお父さんのお兄さんにあたる方が執筆された
 このお話について語られている書籍です。



*次回は石川県白山市にある「尾口文化文化協会 白山麓・民話の会」で伺った民話を
 ご紹介します。




2014年6月7日土曜日

醤油の唄

兵庫県たつの市で昨年度開催されました、龍野アートプロジェクト刻の記憶Art and Memoriesに出展しました映像作品です。醤油の工程を1番から14番までの映像と童謡にまとめました。龍野の風土と共に日本人にとって身近だけど知られていない醤油の魅力が伝わるような楽曲となりました。



                      
                      醤油の唄 from tomoko nishimura on Vimeo.




2014年4月15日火曜日

龍野取材日記:番外編


龍野アートプロジェクト2013Arts and Memories
展示会場でのゲリラライブ音源

2013年11月24日(日)場所:うすくち龍野醤油資料館裏蔵


ソプラノ歌手の泉萌子さんに三木露風ゆかりの土地である龍野にて、童謡「赤とんぼ」を歌って頂きました。龍野は山に沈む夕焼けが本当に見事な土地です。









泉萌子
ソプラノ歌手
京都市立芸術大学大学院音楽研究科修士課程声楽専攻卒業






2014年4月5日土曜日

龍野取材日記2

末廣醤油の品質管理室長の木村さんと黒島さんと高橋さん

7月26日(金)場所:末廣醤油

web・グラフィックデザイナーでもあり、醤油・オリーブオイルソムリエである黒島慶子さん、職人醤油の代表である高橋万太郎さんが龍野の末廣醤油へ来てくださり、末広醤油の社長と品質管理室長である木村さんと共に醤油にまつわるお話をしました。

末廣醤油は西村が2013年春から醤油を勉強する為に訪問、取材をしている醤油屋さんで伝統的な醤油作りと天然醸造にこだわって製造されている醤油屋さんです。



  末広醤油の社長ご自宅の客間での楽しいお話から
  次は場所を移し末廣醤油の工場へ


黒島:香りがあまいですねー。
木村:そうですか!
黒島:澄んでいますしね。いい菌が住む環境なんだろうなぁって思います。
木村:あぁ、それはあるかもしれませんねぇ。
西村:やっぱり、蔵によって香りも違うのですね。
黒島:違いますね。地域が変われば、地域によっての傾向があります。


  末廣醤油の社長さんとはここで一旦お別れ
  杜氏の木村さんの案内のもと工場のさらに奥へ
  そして、話は進み木村さんによる麹から生まれる酵素の話へ  

 
木村:ある日、気がついて、自分が大学生になって、発酵とか興味がでてくるでしょ? 
   で、アルコールの発酵の話をしたりする。
   みんなへの説明の為に結構うけるネタが2つあって
   おじちゃんには、1つは正倉院の巫女さんの話で神酒を説明するんです。

   みんな一生懸命麹を作って、それは酵素を得たいから。
   酵素はこう働くって説明したい最初の入り口。
   
   昔、お酒って飲めんかったんですよ。
   それがね、かわいい女の子が正倉院に集められて
   ご飯をくちゃくちゃ噛まれて、ぷっと出して、そしてそれを溜め込むんですよ。
   そしたらね、ある日ね、すぅーっとお酒ができてね
   それを天皇さんが飲みよったんですよー。
   
   おじさんたちは、は!って

高橋:なりますねぇー
全員:あはははははははっ

  
木村:子供さんには、はじめ人間ギャートルズ。
   ギャートルズには、さる酒の話が出てくるんです。

   おさるさんは、よそに狩猟に行って、ここに果物があるって本能的にわかっとって
   悪い事に、仲間には知らせたくないやんね。取られちゃう。
   自分はお腹いっぱいで食べれないけれども、ちょっと食べたいから
   口をこないなって(果物をほおにつめて)帰ってくる。
   で、こないな姿をみられると。。どこでどこで?取ってきたんって聞かれるから
   帰りがけの木の穴の開いたところに、ぷいってはいてしまう。
   おさるには、気の毒やけど、ちょっと記憶力が乏しいらしいので、忘れる。 
   
   ある日、誰かが見つけて、お酒になっているのを見つける。
   それが、さる酒。

高橋:それがギャートルズに出てくるんですか?
木村:出てくるんですよー。
全員:へぇー
木村:それで、ぐうっと引っぱって酵素の話に結びつけるのです。
黒島:なるほど、確かにわかりやすいですね!
木村:とにかく。酵素はすごいでしょ!すばらしいでしょー。
   という事を親善大使みたいに使命感をもってやっているのであります!


   つづく

         
*唾液に含まれるアミラーゼという酵素が穀物のデンプンをブドウ糖という小さな成分に
 変える。そして、ブドウ糖と酵母が結びつき二酸化炭素とアルコールを作り出して
 お酒ができる。この場合は、小さな糖に分解しないと、お酒は作ることができない。 
 醤油づくりでは麹から酵素がつくられ、様々な働きをしてくれます。



末廣醤油
醤油の本場、兵庫県たつの市で、伝統的な醤油造りをおこなう醤油屋。
龍野「淡紫」が五つ星兵庫に選定されました。

木村俊一
末廣醤油に勤めて27年
品質管理室長
発酵に関する様々な世界に興味を持ち感動をしながら働かれている。

高橋万太郎
職人醤油 代表
各地の醤油蔵の訪問件数は300以上

黒島慶子
Web & グラフィックデザイナー
醤油 & オリーブオイルソムリエ

西村知子
日本各地を住み渡り、土地と土地に住む人々と交流を持ちながら作品制作をしている。




*次回は、場所を変えて井戸麹店のお話をお伝えします。




2014年3月19日水曜日

龍野取材日記1


末廣醤油の末廣社長と品質管理室長の木村さんと黒島さんと高橋さん

2013年7月26日(金)場所:末廣醤油

web・グラフィックデザイナーでもあり、醤油・オリーブオイルソムリエである黒島慶子さん、職人醤油の代表である高橋万太郎さんが龍野の末廣醤油へ来てくださり、末広醤油の社長と杜氏である木村さんと共に醤油にまつわるお話をしました。

末廣醤油は西村が2013年の春から醤油を勉強する為に訪問、取材をしている醤油屋さんで伝統的な醤油作りと天然醸造にこだわって製造されている醤油屋さんです。


       左から 高橋さん、木村さん、西村、末廣社長、黒島さん
         


末廣:こんにちは。どうぞお入り下さい。
犬 :ワン、ワンワン!

  末広醤油の社長のご自宅の客間へお邪魔しました。
  柴犬のいる大きな玄関を通り時代の積み重ねを感じる引き戸を開け客間へ。

高橋:西村さんは週一回ぐらい通われているのですよね?
西村:はい、何も知らない所から始めたので、材料から一から勉強しました。

  木村さんの登場

全員:こんにちは
木村:私は以前から黒島さんをテレビで存じております。
         感動しました!!
黒島:本当ですか、ありがとうございます!
   今は小豆島のお醤油だけでなく、全国のお醤油屋さんの力になれたら
   と思っております。
   醤油の作り手と使い手をつなぐ活動の一環をテレビが追って下さって、
   それが放送されました。
高橋:(テレビを見て)木村さんは感動されたぐらいの・・。
木村:いやいや。感動しましたよ。
   小豆島が自力になっているのをジャンヌダルクのようにぐうっっと。
   熱が加わった!
   そうゆうイメージに思ってたんですよ。
全員:わははははは。
木村:学校に行って、ずっと興味の無い子供たちをこっちに向けるだけでも
   大変なんだぁという事に気がつかれて、テレビが終わるんですけど。
   そうやなぁと思って。
   そして私はその後、たつの市でもグラフィックデザイナーで、
   ぶあーっと発信してくれる子が出てこうへんかなぁと思って。
西村:あはははは。そやったんですか!!
木村:だから(西村に)ぼろくそに言ってるんやんか。
   たつの市もこうゆう人(黒島さんのような人)が出てきてくれたら
   なぁと。
黒島:と思っていた所に(西村さんがでてきた。)
木村:いや。まだあかん。
全員:あはははははは。
高橋:手厳しいですね。
全員:あははははは。
木村:でも、そうゆう強い思いがありました。
黒島:微力ながら、近いので一緒になって伝えてけたらと思います。
   同じ瀬戸内なので。

  木村さんの会話で和やかな雰囲気の中、話が進んでいく。

  つづく




末廣醤油
醤油の本場、兵庫県たつの市で、伝統的な醤油造りをおこなう醤油屋。
龍野「淡紫」が五つ星兵庫に選定されました。

高橋万太郎
職人醤油 代表
各地の醤油蔵の訪問件数は300以上

黒島慶子
Web & グラフィックデザイナー
醤油 & オリーブオイルソムリエ

西村知子
日本各地を住み渡り、土地と土地に住む人々と交流を持ちながら作品制作をしている。


*次回は木村さんによる工場内での醤油談義です。